2026年ワールドシリーズ】ブリュワーズが球団史上初の優勝|年俸19位、スモールマーケット同士の対決を振り返る

シーズンレポート

2026年10月28日、ブリュワーズがレイズを4勝1敗で下し、球団史上初のワールドシリーズ制覇を果たしました。両チームとも初優勝を目指す対戦は、AP通信によると、1980年以来でした。MVPには、ウィリアム・コントレラス捕手が選ばれ、ブリュワーズは、ポストシーズンを11勝2敗で駆け抜けました。シリーズの結果、年俸、フリードマン氏とレイズの縁、そして両球団にゆかりのある選手まで、背景とあわせて振り返ります。

※本記事の情報は2026年10月29日時点で、CBS Sports、Yahoo Sports、NPR(AP通信)、MLB公式サイトなどの報道を基にまとめています。総年俸は、Spotracの数字です。


シリーズの結果

試合日付結果球場
第1戦10月23日ブリュワーズ3-2レイズアメリカン・ファミリー・フィールド
第2戦10月24日ブリュワーズ5-4レイズアメリカン・ファミリー・フィールド
第3戦10月26日ブリュワーズ10-1レイズトロピカーナ・フィールド
第4戦10月27日レイズ4-3ブリュワーズ(12回)トロピカーナ・フィールド
第5戦10月28日ブリュワーズ4-1レイズトロピカーナ・フィールド

各試合のスコアは、CBS Sportsの一覧によるものです。

第5戦は、ジェイコブ・ミジオロウスキー(Jacob Misiorowski)投手が、5回2/3を無失点に抑え、ルーキーのクーパー・プラット(Cooper Pratt)選手が、2安打2打点を記録しました。最後は、トレバー・メギル(Trevor Megill)投手が、9回にレイズの反撃を1点に抑えて、シリーズを締めくくりました。

MVPのコントレラス捕手は、打率.381、4打点の活躍でした。

2球団の基本データ

項目ブリュワーズレイズ
ワールドシリーズ優勝(球団史上初)敗退(優勝経験なし)
ワールドシリーズ出場1982年以来、球団史上2回目2008年、2020年に続き、球団史上3回目
レギュラーシーズン103勝59敗(全30球団で最高勝率)98勝64敗(ア・リーグ最高勝率)
優勝決定シリーズドジャースに4勝0敗ガーディアンズに4勝2敗
優勝決定シリーズのMVPジェイク・バウアーズフレディ・ペラルタ
総年俸(Spotrac)1億4,682万ドル(全30球団で19位)1億762万ドル(23位)
ぜいたく税基準額(Cot’s Contracts)1億5,470万ドル1億1,290万ドル

球団史上初の優勝

ブリュワーズは、57年の球団史の中で、初めてワールドシリーズを制しました。CBS Sportsによると、優勝から遠ざかっていた期間は、ガーディアンズの78年、パドレスの58年に次ぐ、3番目の長さでした。

一方、敗れたレイズは、2008年にもフィリーズに敗れ、2020年にはドジャースに6試合で敗れています。今回の敗退で、ワールドシリーズ優勝のない球団は、ロッキーズ、パドレス、マリナーズ、レイズの4球団になりました。

年俸19位の優勝

ブリュワーズの総年俸は、Spotracの集計で全30球団の19位でした。Cot’s Contractsのぜいたく税基準額は1億5,470万ドルです。優勝チームの年俸が、全30球団の中位から下位だったことになります。

AP通信は、全米で最も小さな市場のブリュワーズが優勝したと伝え、オーナー側が、「スモールマーケットの球団は、継続して勝てない」と主張して、サラリーキャップを求めている時期の優勝だと、指摘しています。さらに、労使協定が12月1日に失効することから、この試合が長期間にわたる、MLBの最後の試合になるかもしれないとも伝えています。労使協定の交渉は、2026年版の記事で、サラリーキャップの制度は、NBA・NFL・NHLとの比較の記事で扱っています。

年俸と勝敗の関係は、ポストシーズン進出12チームの年俸ランキング、1勝あたりの年俸ランキングで扱っています。

レイズとフリードマン氏

ドジャースのアンドリュー・フリードマン編成本部長は、レイズの元幹部です。2004年にレイズへ入り、2005年10月に、28歳で編成の責任者(エグゼクティブ・バイスプレジデント)に昇格しました。オーナーのスチュアート・スターンバーグ氏が、ウォール街から連れてきた人物です。

フリードマン氏の下で、レイズは2008年に初のリーグ優勝を果たしました。AP通信によると、この年のレイズの年俸は5,100万ドルで、全体28位でした。フリードマン氏は2014年10月にドジャースへ移り、2020年のワールドシリーズでは、古巣のレイズをドジャースの指揮官として破っています。2020年のワールドシリーズ前のAP通信の取材には、退団のときに、いつかワールドシリーズで会おうと冗談を言い合っていたと答えています。

今回は、そのフリードマン氏のドジャースが、ナ・リーグ優勝決定シリーズでブリュワーズに敗れ、古巣のレイズが、ワールドシリーズへ進む形になりました。フリードマン氏が大谷選手の契約で果たす役割は、キーマン条項の記事で、スターンバーグ氏とレイズの経緯は、レイズのオーナー記事で扱っています。

両球団に在籍した選手

優勝リングがもらえる見込みの選手

ジェイク・ウッドフォード投手は、2026年に、ブリュワーズとレイズの両方に所属しました。ブリュワーズの球団ニュースサイトHeavyによると、オフにレイズと契約しましたが、開幕前にブリュワーズへトレードされ、ブリュワーズで16試合に登板して防御率6.94でした。その後、カブスを経て、レイズに移っています。

レイズが戦力外通告(DFA)にしたものの、ワールドシリーズ期間中も、形式上はレイズの組織に所属していました。このため、ブリュワーズの優勝によって、優勝リングを受け取れる見込みです。ただし、リングの配布は各球団の判断なので、確定ではありません。

古巣と対戦する3人

選手ブリュワーズとの関係レイズとの関係
フレディ・ペラルタ(Freddy Peralta)投手2018年のデビューから8季在籍し、2度のオールスター2026年のトレード期限でメッツから移籍。ALCSで2勝し、シリーズMVP
ドリュー・ラスムッセン(Drew Rasmussen)投手2021年にウィリー・アダメス選手との交換でレイズへア・リーグのサイ・ヤング賞争いに加わる
ジェイク・バウアーズ(Jake Bauers)選手2024年から在籍し、2026年は自己最多の26本塁打。NLCSのMVP2018年にレイズでデビュー

ペラルタ投手は、ブリュワーズに8季在籍し、防御率3.59、1,153奪三振という成績を残した後、2026年のシーズン前に、2人の有望株との交換でメッツへ移りました。メッツからは、トレード期限にレイズへ移っています。ラスムッセン投手との2人は、レイズの先発の1・2番手で、どちらも元ブリュワーズです。Yahoo Sportsは、2人が第1戦と第2戦で、古巣の本拠地のマウンドに立つ見込みと伝えています。

両シリーズのMVPであるバウアーズ選手とペラルタ選手は、どちらも2018年にデビューし、ペラルタ選手はブリュワーズで、バウアーズ選手はレイズでデビューしました。MLB公式サイトは、2人が、デビューした球団と戦うことになると伝えています。

注目の対決

レイズの中心は、23歳のジュニオール・カミネロ(Junior Caminero)選手です。2026年に42本塁打、2025年に45本塁打を打ち、162試合すべてに出場してOPS.885を記録しました。CNNは、ほとんどのほかの球団でプレーしていれば、リーグの大スターになっていた選手と評しています。

迎え撃つブリュワーズには、時速105マイル(約169キロ)の速球を投げる、ジェイコブ・ミジオロウスキー(Jacob Misiorowski)投手がいます。Sports Illustratedは、マウンドに上がるたびに「目が離せない」存在と伝えています。

優勝を決めた第5戦では、前述の通り、5回2/3を無失点に抑えています。

視聴者数:スモールマーケット同士でも、第1戦は1,200万人超

米国での視聴者数は、FOX Sportsの発表によると、次の通りです。

試合平均視聴者数(FOX、FOX Deportes、Univision)
第1戦約1,226万人
第2戦約1,085万人
第3戦約833万人

第1戦は、直近2年のワールドシリーズ(ドジャース出場)を除くと、2019年以来の高さです。一方、第3戦は、10対1の大差になったうえ、NFLのマンデーナイトフットボール(約1,873万人)と重なったため、大きく数字を落としました。

第1・2戦は、前年(ドジャース対ブルージェイズ)の同じ試合と比べて、約6%減にとどまりました。Sports Media Watchによると、今年の両チームの本拠地市場の世帯数は、合計で約320万世帯と、過去20年のワールドシリーズで最も少ない規模です。第4戦以降の数字は、公式発表を待っています。過去の数字との比較は、ワールドシリーズ視聴者数の記事で扱っています。

読むときの注意点

  • この記事は、2026年10月29日時点の情報です。第4戦、第5戦の視聴者数は、含みません。
  • 年俸は、集計元で数字が異なります。 本記事は、Spotracの総年俸と、Cot’s Contractsのぜいたく税基準額を併記しています。CNNの報道では、レイズの年俸は9,830万ドルで25位です。
  • 優勝リングの配布は、各球団の判断です。ウッドフォード投手の件は、報道に基づく見込みです。
  • 視聴者数の過去との比較は、集計方法の違いで、厳密にはできません。 Nielsenは、近年、集計方法を何度も変えています。

【まとめ】早見表

項目概要
対戦カードブリュワーズ(ナ・リーグ)対レイズ(ア・リーグ)
第1戦2026年10月23日(金)、ミルウォーキー
初優勝どちらが勝っても、球団史上初。両球団が初優勝を目指す対戦は1980年以来
年俸ブリュワーズ19位、レイズ23位(Spotracの総年俸)。この集計では、どちらが勝っても年俸19位以下の優勝
フリードマン氏2004〜2014年にレイズ在籍。2014年にドジャースへ
両球団に在籍ウッドフォード投手(どちらが勝ってもリングの見込み)
古巣対決ペラルタ投手、ラスムッセン投手(元ブリュワーズ)、バウアーズ選手(元レイズ)

個人的に印象的なのは、ドジャースが敗れた後のワールドシリーズが、年俸19位と23位の2球団で争われ、優勝チームが、「スモールマーケットは勝てない」という主張の中で生まれた点です。サラリーキャップの議論は、これから本格化しますが、この優勝は、その議論に、1つの具体的な材料を加えました。ドジャースを応援している身としては、悔しさもありますが、ブリュワーズの優勝は、素直に祝いたいと思います。


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