【データで見るMLB】ワールドシリーズ視聴者数の推移2016〜2025|人気球団が出ると本当に盛り上がるのか

シーズンレポート

ワールドシリーズの米国での平均視聴者数は、年によって2倍以上の差が出ます。2016年の約2,300万人に対して、2023年は約911万人でした。この差を生んだのは、年俸の高さではなく、全国的な人気、スター選手、そして物語です。10年分の数字と、2026年のポストシーズンのこれまでの動きから、「お金持ち球団や人気球団が出ると盛り上がるのか」を検証します。

※本記事の視聴者数は、米国のニールセン推計を基にしたForbes、Sports Media Watch、ESPN、CBS News(AP通信配信)などの報道を基にまとめています。集計方法は年によって異なるため、厳密な比較にはなりません(後述)。


ワールドシリーズ平均視聴者数(米国)の推移

年対戦カード試合数平均視聴者数補足
2016カブス対インディアンス7約2,285〜2,340万人カブスが108年ぶりに優勝。第7戦は約4,005万人
2017アストロズ対ドジャース7約1,890万人
2018レッドソックス対ドジャース5約1,410万人大規模市場同士の対戦だったが、当時で歴代4番目の低さ
2019ナショナルズ対アストロズ7約1,390万人第7戦は約2,301万人で、第7戦としては当時最低
2020ドジャース対レイズ6約979万人新型コロナの影響下で開催
2021ブレーブス対アストロズ6約1,175万人
2022アストロズ対フィリーズ6約1,176万人
2023レンジャーズ対Dバックス5約911万人史上最低
2024ドジャース対ヤンキース5約1,581万人前年から約7割増
2025ドジャース対ブルージェイズ7約1,610万人第7戦は米国で約2,733万人

2025年のカナダと日本の第7戦の視聴者数(カナダ約1,090万人、日本約1,200万人)を合わせると、約5,000万人にのぼります(各国の発表値の合計)。

「お金持ち・大市場」だけでは説明できない

「人気のある大きな球団が出れば伸びる」という見方は、半分は正しく、半分は当てはまりません。

当てはまらなかった例は2018年です。 レッドソックスとドジャースという、大規模市場の2球団の対戦だったにもかかわらず、平均視聴者数は約1,410万人で、ESPNは当時「歴代4番目に低い」と報じました。

逆に、2023年が史上最低だった理由は、人気の低さです。 Forbesは、「比較的人気の低い2チーム」の対戦だったことが、最低の視聴者数につながったと説明しています。

最も高かった2016年は、「カブスの108年ぶりの優勝」という物語がありました。第7戦まで行ったシリーズ(2016年、2017年、2025年)は、いずれも1,600万人を超えています。ただし、2019年は第7戦まで行ったのに約1,390万人にとどまっており、例外もあります。

ドジャースの存在感:2026年のこれまでの数字

2024年以降の数字を押し上げているのは、ドジャースです。2024年のワールドシリーズは、日本でも平均約1,210万人が視聴し、日本で最も視聴されたワールドシリーズになりました。2025年のナ・リーグ優勝決定シリーズは、日本で平均734万人と、優勝決定シリーズの記録を更新しています。

2026年のディビジョンシリーズでも、その傾向が出ています。

試合視聴者数比較
ブレーブス対ドジャース 第1戦(FOX)約537万人2018年以来のディビジョンシリーズ第1戦で最多
ヤンキース対レイズ 第1戦(TBS)約351万人前年の同じ時間帯のドジャース対フィリーズ(約468万人)より25%減
パドレス対ブリュワーズ 第1戦約250万人前年の同じ時間帯のタイガース対マリナーズ(約305万人)より18%減
ホワイトソックス対ガーディアンズ 第1戦約210万人前年の同じ時間帯のカブス対ブリュワーズ(約220万人)とほぼ同じ

ディビジョンシリーズ全体の平均は約327万人で、前年の同じ時点より3%減でした。ドジャースだけが突出して、他は前年並みか、下回る形です。

一方で、ヤンキースとレッドソックスの組み合わせは、ワイルドカードシリーズ(NBC)で第1戦が約730万人、第2戦が約740万人と、高い数字でした。人気球団同士の対戦や、ライバル関係の効果がうかがえます。ただし、そのヤンキースがレイズと対戦したディビジョンシリーズ第1戦は、前年のドジャース戦を下回っており、「大市場の人気球団なら必ず伸びる」わけでもありません。

視聴者数は、どう「お金」につながるのか

視聴者数は、放送局の広告収入に直結します。Sporticoの試算では、2025年のワールドシリーズでFOXが得る試合中の広告収入は、少なくとも約2億7,400万ドルに達する見込みでした(第6戦で決着した場合の試算。実際は第7戦まで行きました)。

人気球団が勝ち上がるほど放送局は潤う一方で、年俸の差をどう扱うかというサラリーキャップの議論は、こうした視聴率ビジネスとも無縁ではありません。

2026年のワールドシリーズ

今年のワールドシリーズは10月23日に開幕します。ナ・リーグはブリュワーズ対ドジャース、ア・リーグはガーディアンズ対レイズで、決勝の顔ぶれがどうなるかで、視聴者数は大きく変わる可能性があります。ワールドシリーズ終了後に、2026年の数字を追記します。

読むときの注意点

  • 集計方法が年によって異なります。 2024年以降は配信分を含む数字で、2025年にはニールセンが新しい集計方式を採用したため、過去のパネル調査のみの数字との比較には注意が必要とされています。
  • 同じ年でも、資料によって数字が少し違います。 2016年の2,285万〜2,340万人のように、幅を持たせた表記にしています。
  • 国ごとに調査方法が異なります。 日本やカナダの数字は、米国の数字と直接は比較できません。

【まとめ】早見表

項目概要
最も視聴されたシリーズ(2016〜2025年)2016年カブス対インディアンス(約2,285〜2,340万人)
最も視聴されなかったシリーズ2023年レンジャーズ対Dバックス(約911万人、史上最低)
大規模市場同士でも低かった例2018年レッドソックス対ドジャース(約1,410万人)
近年の押し上げ要因ドジャース(2024年は日本でも平均約1,210万人)
2026年ディビジョンシリーズドジャース戦が突出、全体は前年比3%減
ワールドシリーズ開幕2026年10月23日

個人的に意外だったのは、2018年の「大規模市場同士」でも当時歴代4番目に低かったという点です。「お金持ちで人気のある球団が出れば盛り上がる」というのは半分正しくて、実際に効いているのは、スター選手と、その年ならではの物語なのだと感じます。今年のワールドシリーズにどんな物語が生まれるのか、楽しみにしています。

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