OPSとは(概要)
OPS(オプス、またはオー・ピー・エス)は、「On-base Plus Slugging」の略称です。
打者の「出塁する能力」と「長打を放つ能力」を足し合わせた指標であり、打者のチーム得点への貢献度を客観的に評価するために用いられます。現代のメジャーリーグ(MLB)において、打者の総合力を測る上で最もポピュラーかつ重要視されている基準データの一つです。
計算式
OPSは以下のシンプルな計算式で求められます。
OPS = 出塁率(OBP) + 長打率(SLG)
- 出塁率: 打席に立った際に、アウトにならずに塁に出る確率。(安打+四球+死球)÷(打数+四球+死球+犠飛)
- 長打率: 1打数あたりに稼げる塁打数の平均。 塁打数 ÷ 打数
評価基準(目安)
MLBにおけるOPSの評価基準は、概ね以下の表のように分類されます。
(※年度ごとのボールの反発係数や、球場の特性(パークファクター)によって平均値は変動しますが、標準的なリーグ平均は「.730前後」とされています)
| OPSの数値 | 評価 | 選手層の目安 |
| 1.000 以上 | 非常に優秀 | リーグを代表する最強打者(MVPクラス) |
| .900 以上 | 優秀 | オールスター出場クラス |
| .800 以上 | 良い | チームの主力レギュラークラス |
| .730 前後 | 平均 | リーグ平均レベル |
| .700 以下 | 平均以下 | 改善が求められるレベル |
実際のデータ例
基準となる「OPS 1.000超え」がいかに突出した異常な数値であるかを確認するため、代表的な選手の成績(2024年レギュラーシーズン)を例に挙げます。
| 選手名 | 所属 | 出塁率 | 長打率 | OPS |
| アーロン・ジャッジ | ヤンキース | .458 | .701 | 1.159 |
| 大谷翔平 | ドジャース | .390 | .646 | 1.036 |
両選手とも、最高評価である「OPS 1.000」をさらに大きく上回る数値を記録しており、歴史的な得点創出能力を持っていることがわかります。
大谷翔平・アーロン・ジャッジ OPS推移(2020-2026)
| 年度 | 大谷翔平(所属) | アーロン・ジャッジ(所属) | 備考 |
| 2020 | .657(LAA) | .891(NYY) | ※短縮シーズン |
| 2021 | .965(LAA) | .916(NYY) | |
| 2022 | .875(LAA) | 1.111(NYY) | ジャッジがア・リーグ新記録の62本塁打 |
| 2023 | 1.066(LAA) | 1.019(NYY) | |
| 2024 | 1.036(LAD) | 1.159(NYY) | 大谷がMLB史上初の「50-50」(最終54本塁打・59盗塁)達成 |
| 2025 | 1.014(LAD) | 1.145(NYY) | 大谷が二刀流(投手・指名打者)として復帰 |
| 2026 | .940(LAD) | .908(NYY) | ※8月4日(記事執筆時)時点の暫定値 |
【補足】OPSの注意点(弱点)
OPSは計算が簡単で分かりやすい反面、「出塁率」と「長打率」を単純に足し合わせている点に統計的な弱点があります。
実際の野球において、得点への影響力は「長打率」よりも「出塁率」の方が約1.8倍高いとされていますが、OPSでは両者が等価(1:1)として扱われてしまいます。そのため、より厳密な評価を行う際は、この弱点を補正した「wOBA」などの上位指標が併用されます。