マイナー・オプションとは
マイナー・オプション(Minor League Options)とは、40人枠(メジャー契約)に入っている選手を、他球団に獲得されるリスクなしでマイナーリーグに降格させることができる球団の権利です。
通常、メジャー契約を結んだ選手をマイナーへ落とすには「DFA(戦力外の手続き)」や「ウェーバー公示」を経由する必要があり、他球団に引き抜かれるリスクが生じます。しかし、このマイナー・オプションが残っている選手であれば、球団は手続きの制限を受けずにメジャー(26人枠)とマイナー(3Aなど)を行き来させることができます。
オプションのカウント方法:「3回」ではなく「3シーズン」
マイナー・オプションの権利は、基本的に1人の選手につき「3つ(3年分)」付与されます。
このルールで誤解されやすいのが、「通算3回マイナーに落ちたら終わり」という点です。マイナー・オプションは降格の回数ではなく「シーズン(年)」単位でカウントされます。
1シーズンの間にメジャーとマイナーを何度往復しても、その年に20日以上マイナーに滞在していれば消費されるオプションは「1つ(1年分)」です。そのため、1年で何十回入れ替えても1シーズン分の消費として処理されます。
年間5回の降格制限(ルール改定)
かつてはオプションが残っている選手を「投手を投げさせた翌日にマイナーへ落とし、マイナーから別の投手を引き上げる」という高頻度の入れ替えに利用するケースが多く見られました。
しかし、選手の移動負担やコンディション面への配慮から、現行の労使協定では「1シーズンの間にマイナーへ降格できるのは最大5回まで」という制限が設定されています。
年間で6回目の降格を命じる場合は、仮にマイナー・オプションの年数が残っていてもウェーバー公示を経由しなければなりません。
「オプション切れ(Out of Options)」とチーム編成への影響
選手がメジャーとマイナーを行き来する期間が続き、3年分のオプションを使い切った状態を「オプション切れ(Out of Options)」と呼びます。
オプション切れになった選手は、DFA(戦力外の手続き)を経由しない限り、マイナーへ降格させることができなくなります。
この状態になると、球団側は以下の判断を迫られます。
- 26人枠に残す: メジャーのベンチメンバーとして維持する。
- DFAを行う: 他球団に引き抜かれるリスクを覚悟で40人枠から外す。
- トレードに出す: 他球団へ放出し、見返りとして別の資産を獲得する。
開幕前のキャンプ時期などでは、選手の実力だけでなく「オプションが残っているかどうか」という契約上の条件がロースター生き残り(26人枠入り)の決定要因になるケースがあります。


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