【メジャー用語解説】IL(負傷者リスト)とは|日数ごとの種類とロースター枠への影響

用語解説

IL(負傷者リスト)とは

IL(Injured List)とは、メジャーリーグにおいて怪我や疾病によって試合に出場できない選手を登録するリスト(負傷者リスト)のことです。

かつては「DL(Disabled List)」という名称が使われていましたが、2019年シーズンから現在の「IL」に名称が変更されました。選手がILに登録されると、その期間中はアクティブ・ロースター(26人枠)から外れるため、球団はマイナーリーグなどから代替選手を昇格させてベンチ入りの人数を補充することができます。

ILの種類と対象選手

ILには、怪我の程度やポジションに応じていくつかの種類が設定されています。現在運用されている主なILは以下の通りです。

10日間のIL(10-day IL)

  • 対象: 野手
  • 概要: 野手が軽傷を負った場合などに適用される、最も期間の短い負傷者リストです。登録された日から最低10日間はメジャーの試合に出場できません。

15日間のIL(15-day IL)

  • 対象: 投手および二刀流選手
  • 概要: 投手の疲労回復を目的とした意図的な入れ替えを防ぐため、投手に対しては野手よりも長い「最低15日間」の登録が義務付けられています。

60日間のIL(60-day IL)

  • 対象: 全選手(長期離脱を要する重傷者)
  • 概要: トミー・ジョン手術(肘の靭帯再建手術)や重度の骨折など、長期の治療とリハビリが必要な選手に適用されます。最低60日間はメジャーに復帰できません。

※このほかにも、脳震盪の疑いがある選手を対象とした「7日間のIL(7-day concussion IL)」などの特例リストが存在します。

IL登録による「40人枠」と「26人枠」への影響

ILへの登録は、選手の休養だけでなく、球団のロースター管理(26人枠および40人枠の運用)において重要な意味を持ちます。適用されるILの日数によって、ロースターへの影響が異なります。

ILの種類26人枠(ベンチ入り)への影響40人枠(メジャー契約)への影響
10日間 / 15日間 IL枠から外れる(空きができる)枠に残ったまま(空きはできない)
60日間 IL枠から外れる(空きができる)枠から外れる(空きができる)

ロースター編成における「60日間IL」の特例

「10日間 / 15日間IL」の場合、選手は試合に出場する26人枠からは外れますが、メジャー契約を保持する40人枠にはそのまま留まります。

一方、「60日間IL」に登録された選手は、特例として40人枠のカウントからも一時的に除外されます

これにより、球団は既存の選手に対してDFA(戦力外の手続き)を行うことなく40人枠に「1つ空き」を作ることができ、他球団からのトレード補強やマイナー選手の新規メジャー契約にその枠を活用することが可能になります。そのため、長期離脱が確定している選手は、ロースター編成の都合上、速やかに60日間ILへ移行されるのが一般的な運用となっています。

ILに関するその他の規定

リハビリ出場(Rehab Assignment): ILに登録されている選手は、メジャーリーグの公式戦には出場できませんが、復帰に向けた調整を目的としてマイナーリーグの試合に実戦出場(リハビリ登板・出場)することが規則で許可されています。

遡及適用(バックデート): 選手が怪我を負って試合を欠場した場合、ILへの登録日を最大3日前まで遡って適用することが認められています。これにより、数日間様子を見てからILへの登録を判断することができます。

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