QS(クオリティ・スタート)とは
QS(Quality Start:クオリティ・スタート)とは、メジャーリーグ(MLB)をはじめとする野球において、先発投手が試合を作った(最低限の責務を果たした)ことを示す投手評価指標です。
1980年代にスポーツライターのジョン・ロウ(John Lowe)によって提唱され、現在では勝利数や防御率(ERA)と並び、先発投手の安定感や貢献度を測る基本的なデータとして定着しています。
QSの達成条件
QSとして記録されるための条件は、以下のように定められています。
- 投球回数: 6回以上
- 失点条件: 自責点3以下
先発投手が同じ試合でこの両方の条件を同時に満たした場合に、その登板に「1QS」が記録されます。仮に6回を投げて自責点3(防御率4.50相当)であっても、先発投手としてゲームを壊さずに勝機を残したと評価され、QSが成立します。
なぜQSという指標が重視されるのか
従来の投手評価の主軸であった「勝利数」や「防御率」には、先発投手個人の力だけではコントロールできない要素が含まれています。
- 勝利数(勝敗)の影響: 味方打線の得点援護や、救援投手(リリーフ)の失点状況に左右される。
- QSの特徴: 打線の援護や後続のリリーフの出来に関わらず、「先発投手自身が試合を作れたかどうか」のみを客観的に評価できる。
先発投手が6回3自責点以内に抑えれば、チームが勝利する確率が一定以上に保たれるため、フロントの評価や契約交渉における重要なデータのひとつとして用いられています。
関連する派生指標(HQS・QS率)
HQS(ハイ・クオリティ・スタート)
QSよりもさらに高い水準の投球内容を評価するための派生指標です。
- 達成条件: 7回以上を投げ、かつ自責点2以下
QS率(QS%)
全先発登板数のうち、QSを達成した登板の割合を示した指標です。
計算式: QS率(%)=(QS達成数)÷(先発登板数)× 100
1シーズンを通じてQS率が「60%〜70%」を超えている先発投手は、好不調の波が少なく、安定してローテーションを守ることができる投手とみなされます。
現代野球におけるQSの位置づけ
近年、MLBでは投手の登板管理(球数制限)やデータ分析に基づく継投(相手打線と3度目の対戦をする前に降板させる戦略)が主流となっています。そのため、先発投手が5回途中で降板するケースが増加しており、QSの達成割合自体は以前よりも低下傾向にあります。
それでもなお、リリーフ陣の負担を軽減し、先発としての役割を果たしたかを示す基本的な指標として、現在も幅広く活用されています。


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