【MLB球団オーナー】フィラデルフィア・フィリーズ(PHI)のオーナーと株式保有割合

オーナー

フィラデルフィア・フィリーズは、単独の筆頭株主が存在しない「リミテッド・パートナーシップ(有限責任事業組合)」という形態で運営されています。その中心にいるのが、タバコ事業の売却で財を成したジョン・ミドルトン氏です。株式保有構造と、その積極的な補強投資の背景を解説します。

※本記事のオーナー・株式保有データは、MLB公式サイト、Forbesが公表した情報を基にまとめています。


1. オーナーグループとは

フィリーズは、1981年に結成されたリミテッド・パートナーシップとして運営されています。単独の過半数株主はおらず、複数のファミリーが株式を分け合う構造です。

株式構成: MLB公式サイトによれば、ミドルトン家とバック家がそれぞれ48.75%を保有し、残りをパット・ジリック氏(1.5%)とモンゴメリー家(1%)が保有する体制が長く続いていました。

【2023年の変化】ミドルマン家の新規参画: 2023年3月、バック家の一員だったウィリアム・C・バック氏が94歳で死去したことを受け、バック家は資産分散のため保有比率の縮小を決断しました。同年6月、住宅ローン大手フリーダム・モーゲージの創業者スタンレー・ミドルマン氏が、バック家の持ち分の3分の1にあたる16.25%を取得。この結果、現在の株式構成はミドルトン家48.75%、バック家32.5%、ミドルマン家16.25%、ジリック氏1.5%、モンゴメリー家1%となっています。ミドルマン家は、1994年のミドルトン家参画以来「約40年ぶりの新規パートナー」(ミドルトン氏談)です。

買収の経緯: ジョン・ミドルトン氏は1994年、約1,800万ドルで球団の15%の株式を取得し、オーナーグループに参画しました。その後持ち株比率を徐々に高め、2016年に球団の経営責任者(マネージング・パートナー)に就任。現在は約50%弱の株式を保有する筆頭株主となっています。

2. 主要オーナー・経営陣の顔ぶれ

ジョン・ミドルトン(John Middleton)|筆頭オーナー・マネージング・パートナー

  • 球団株式保有率: 48.75%
  • 本業・役職: 家業だったタバコ会社「ジョン・ミドルトン・カンパニー」(葉巻ブランド「ブラック&マイルド」で知られる)の元経営者。2007年に同社をアルトリア・グループへ約29億ドルで売却
  • 資産規模: Forbesの2026年8月時点の推計で約43億ドル
  • 特徴: 1994年に少数株主として参画し、2016年に球団の経営責任者(マネージング・パートナー、MLB承認の「コントロール・パーソン」)に就任した人物です。「予算の上限よりも勝利とファンの満足度を優先する」という積極投資型の経営スタイルで知られ、たびたびぜいたく税(CBT)の対象となる大型契約を結んできました。

デビッド・バック(David Buck)|共同オーナー

  • 球団株式保有率: バック家全体で32.5%(2023年に48.75%から縮小)
  • 役職: 球団の共同オーナー・エグゼクティブバイスプレジデント
  • 特徴: 1981年、ルーリー・カーペンター氏から球団を3,000万ドルで買収した際からの中心株主ファミリーです。2023年3月に一族の一員ウィリアム・C・バック氏(94歳)が死去したことを機に、資産分散を目的として持ち株比率を縮小しました。

スタン・ミドルマン(Stan Middleman)|副会長

  • 球団株式保有率: 16.25%(2023年新規参画)
  • 本業・役職: 住宅ローン大手「フリーダム・モーゲージ」創業者兼CEO。副会長(Vice Chairman)
  • 特徴: フィラデルフィア出身、テンプル大学卒業。バック家から株式の一部(16.25%)を取得する形で、2023年にオーナーグループへ新規参画しました。取得額はForbes推計で約4億5,500万ドル(当時の球団評価額28億ドルベース)とされています。

3. フィリーズの経営哲学

「勝利最優先」の積極投資: ミドルトン氏は過去、キャンプ地の視察で「ぜいたく税を払ってでも勝てるチームを作る」という趣旨の発言を繰り返しており、実際にカイル・シュワーバー選手やザック・ウィーラー投手など、大型契約でのFA補強を続けてきました。

編成のプロへの権限委譲: 編成本部長のデーブ・ドンブロウスキー氏に現場のチーム編成を委ね、オーナーは資金面での後押しに徹する体制を敷いています。


【フィリーズ経営陣の早見表】

役職・氏名主な本業・背景チーム運営における役割
ジョン・ミドルトン元タバコ会社経営者筆頭オーナー・マネージング・パートナー(48.75%)
デビッド・バック主要株主ファミリー共同オーナー・エグゼクティブVP(バック家全体で32.5%)
スタン・ミドルマンフリーダム・モーゲージ創業者副会長(16.25%、2023年新規参画)
デーブ・ドンブロウスキー編成のプロ編成本部長(President of Baseball Operations)

個人的には、単独の過半数オーナーがいない「複数ファミリーの共同経営」という体制でありながら、ミドルトン氏個人の「勝利優先」という方針が明確にチーム全体に反映されている点が興味深いです。株式構造は分散していても、経営の意思は一枚岩という好例と言えるかもしれません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました