【MLB球団オーナー】シカゴ・カブス(CHC)のオーナーと株式保有割合

オーナー

MLB屈指の歴史を持つシカゴ・カブスとその聖地リグレー・フィールドは、2009年からリケッツ家によって所有されています。証券会社TDアメリトレード創業者ジョー・リケッツ氏を父に持つ4兄弟が球団経営に携わり、そのうちの一人は米上院議員も務めるという、球界でも異色の一族です。買収の経緯と一族の顔ぶれを紐解きます。

※本記事のオーナー・株式保有データは、MLB公式サイト、WhoIsTheOwnerOf.comが公表した情報を基にまとめています。


1. オーナーグループとは

カブスは、リケッツ家が設立したファミリートラスト(信託)によって所有されています。

買収の経緯: 2009年10月27日、リケッツ家はトリビューン・カンパニーから、カブス・リグレー球場・地域スポーツ放送網(コムキャスト・スポーツネット・シカゴ)の約25%持分を含む取引を、総額8億4,500万ドルで取得しました。これにより球団の95%の持分を獲得し、トリビューン社は税務上の理由から残り5%を保持していましたが、2019年1月25日、カブス側がこの残存持分も買い取り、完全子会社化しています。

組織の特徴: 球団を含む家業全体は、4兄弟(トム、ピート、ローラ、トッド)が家族信託を通じて共同保有する体制です。父ジョー氏は経営には直接関与していません。

2. 主要オーナー・経営陣の顔ぶれ

トム・リケッツ(Tom Ricketts)|会長

  • 役職: カブス取締役会会長。証券会社インキャピタルLLC会長
  • 資産規模: 個人の推計資産は約9億ドル
  • 特徴: シカゴ大学(学部・MBAとも)出身で、2009年に自ら家族を説得して球団買収を主導した中心人物です。買収時、球団の持分価値は総額8億4,500万ドルの取引のうち約6億4,200万ドル相当とされています。球団の対外的な「顔」として、テレビ放映権交渉なども担っています。

ジョー・リケッツ(Joe Ricketts)|創業者・父

  • 本業: 証券会社TDアメリトレード創業者
  • 資産規模: Forbes推計で約41億ドル(2024年時点)
  • 特徴: 一族の資産の源泉である人物ですが、球団経営には直接関わっていません。

ピート・リケッツ(Pete Ricketts)|共同オーナー・米上院議員

  • 役職: カブス共同オーナー(家族信託を通じて)、ネブラスカ州選出の米上院議員
  • 特徴: 2015年から2023年までネブラスカ州知事を務め、2023年からは同州選出の米上院議員です。2019年に球団取締役を退任し、政治活動に専念しています。

ローラ・リケッツ(Laura Ricketts)|共同オーナー

トッド・リケッツ(Todd Ricketts)|共同オーナー

  • 役職: 取締役会メンバー
  • 特徴: 過去に共和党全国委員会の財務委員長代理を務めるなど、政治活動にも関わってきました。

3. カブスの経営哲学

一族による長期的な資本投下: 買収直後の2010年代前半は資金難で低迷が続きましたが、その後リグレー・フィールドの大規模改修(周辺エリア「リグレービル」の開発含む)に巨額を投じ、2016年の108年ぶりのワールドシリーズ制覇へとつなげました。

政治との距離感: ピート氏の米上院議員就任やトッド氏の共和党活動など、一族が球団経営と同時に政治の世界にも深く関与している点は、他球団のオーナーとは一線を画す特徴です。

私的資本による資産運用の多様化: トム氏は近年のインタビューで、プライベートエクイティ(未公開株投資)のMLBへの参入について「概ねプラスに働く」と述べるなど、球界の資本構造の変化にも積極的な発言をしています。


【こぼれ話】ローマ教皇もホワイトソックスファン

2025年5月に選出された史上初のアメリカ人教皇レオ14世(本名:ロバート・プレヴォスト氏)は、シカゴ出身の生粋のホワイトソックスファンです。少年時代には2005年ワールドシリーズ第1戦(対アストロズ)を実際にスタンドで観戦しており、この試合でホワイトソックスは1917年以来となる世界一への道を歩み始めました。2025年6月にはバチカンでの一般謁見にホワイトソックスの帽子をかぶって登場するなど、その熱心なファンぶりが度々話題になっています。今回のプレーオフ進出に際しても、教皇から球団へ祝福の手紙が贈られたと報じられています。

【カブス経営陣の早見表】

役職・氏名主な本業・背景チーム運営における役割
トム・リケッツ証券会社インキャピタル会長取締役会会長・対外的な顔
ジョー・リケッツTDアメリトレード創業者一族の資産の源泉(経営非関与)
ピート・リケッツ米上院議員(元ネブラスカ州知事)共同オーナー(2019年に取締役退任)
ローラ・リケッツ元企業法務弁護士共同オーナー・取締役
トッド・リケッツ元共和党全国委員会財務委員長代理共同オーナー・取締役

個人的には、球団オーナー一族から現職の米上院議員が出ているという点が、他球団にはない際立った特徴だと感じます。野球というビジネスと政治が、これほど近い距離にある球団は珍しいのではないでしょうか。

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