【MLB球場ガイド】クリーブランド・ガーディアンズの本拠地プログレッシブ・フィールド|命名権と歴史・データ

球場ガイド

クリーブランド・ガーディアンズの本拠地プログレッシブ・フィールドは、開場間際まで命名権の行方が定まらず、最終的にオーナー自らが私財で名前を買ったという珍しい経緯を持つ球場です。銀行の合併破談から保険会社への命名権売却、そして2036年までの長期契約まで、その変遷を紐解きます。

※本記事のデータは、This Great Game、MeetStadium、WKYC、Yahoo Sports、Cleveland Building Trades Councilが公表した情報を基にまとめています。


1. 基本データ

項目内容
名称プログレッシブ・フィールド(Progressive Field)
旧名称ジェイコブス・フィールド(Jacobs Field、1994〜2007年)
所在地オハイオ州クリーブランド(2401 Ontario Street)
開場1994年4月4日
収容人数34,830人
建設費約1億7,500万ドル
所有者ゲートウェイ経済開発公社(公的機関)
設計HOKスポーツ(現ポピュラス)

📍 所在地:2401 Ontario Street, Cleveland, OH(Googleマップで見る)

2. 歴史:開場直前まで迷走した命名権

球場は、クリーブランド都心再開発プロジェクト「ゲートウェイ・スポーツ&エンターテインメント・コンプレックス」の一環として、バスケットボールアリーナ(現ロケット・モーゲージ・フィールドハウス)と同時に建設されました。1994年4月4日、ビル・クリントン大統領が始球式を務め、対マリナーズ戦で開場しています。

建設費は約1億7,500万ドルで、このうち約48%(8,400万ドル)が公的資金、残り約52%(9,100万ドル)を当時のオーナー、リチャード・E・ジェイコブス氏が負担しました。

球場名の決定は、開場直前まで迷走を極めました。一時は地元銀行ソサエティ・バンクとの間で「ソサエティ・フィールド」とする契約が結ばれかけましたが、同行がキーバンクとの合併を進めていたため、この話は土壇場で破談。球団側は「ゲートウェイ・パーク」という無難な名称での開場も覚悟していましたが、結局、兄デビッド氏の死去後に球団の全権を握っていたジェイコブス氏自身が、私財1,390万ドルを投じて自らの名を球場に冠することを決断。こうして「ジェイコブス・フィールド」として開場を迎えました。

3. 命名権:保険会社への移行と2036年までの長期契約

2008年1月、地元メイフィールドに本社を置く保険大手プログレッシブ・コーポレーションが、16年契約・総額5,760万ドル(年間平均約360万ドル)で命名権を取得し、球場名は「プログレッシブ・フィールド」となりました。契約には、球団の公式自動車保険会社としてのスポンサー権も含まれています。

2024年4月、球場の大規模改修が進む中、球団はプログレッシブ社との契約を13年延長し、2036年まで現行の名称を維持することで合意しました。プログレッシブ社CEOのトリシア・グリフィス氏は「2008年以来16年間、プログレッシブ・フィールドはクリーブランド地域の一部であり続けた」とコメントしています。

4. リース延長と大規模改修:2036年までクリーブランドに残留

2022年、球団(当時はまだ改名直後のガーディアンズ)は、球場を所有するクリーブランド市・カイヤホガ郡との間で、15年間(最長25年まで延長可能)のリース延長に合意しました。

この合意には、総額4億3,500万ドル規模の改修・維持管理パッケージが含まれていました。このうち、球場の新規改修プロジェクト分が2億250万ドル、残る約2億3,250万ドルは、リース期間(15年、最長25年まで延長可)にわたるシステム更新・インフラ保守・座席交換などの資本的修繕・維持管理費に充てられる計画です。資金の出所は、市・郡が年間合計約1,700万〜1,900万ドル、州が年間200万ドルを拠出し、球団側も15年間で計1億5,000万ドル(新規改修分6,750万ドル+修繕・維持管理分8,250万ドル)を負担する内容です。

このうち新規改修分の「プログレッシブ・フィールド・リイマジンド」プロジェクトは2023年から2025年にかけて実施されました。急勾配だった上段スタンドを開放してスカイラインを一望できる構造に刷新し、左翼にビアガーデン、右翼に「ペナント・ディストリクト」を新設。1994年の開場以来初となる、両チームのクラブハウスの全面改装も行われました。

オハイオ州知事マイク・デワイン氏は、この球場が今後15年間で地域に32億2,000万ドルの来場者消費をもたらすと見込まれると述べています。

【まとめ】プログレッシブ・フィールド早見表

項目概要
開場1994年(クリントン大統領が始球式)
収容人数34,830人
命名歴ジェイコブス・フィールド(1994〜2007年)→プログレッシブ・フィールド(2008年〜)
現行命名権プログレッシブ社、2036年まで(最長2041年まで延長可)
建設費の内訳公的資金48%・オーナー負担52%
2023〜2025年の改修約2億250万ドル(「プログレッシブ・フィールド・リイマジンド」)

個人的には、「ソサエティ・フィールド」になるはずが銀行合併で破談になり、最終的にオーナー自身が私財を投じて自分の名前を球場に刻んだという経緯が、企業の命名権ビジネスの不確実性を象徴していて興味深いです。保険会社プログレッシブの名が16年以上続いているのは、むしろ命名権契約としては安定した部類に入るのかもしれません。

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