【MLB球団オーナー】シカゴ・ホワイトソックス(CWS)のオーナーと株式保有割合

オーナー

1981年から40年以上にわたりホワイトソックスを率いてきたジェリー・ラインズドーフ氏。NBAシカゴ・ブルズのオーナーでもあるこの90歳の実業家は、2025年、ついに将来の球団売却に関する枠組みを発表しました。長期政権の実態と、10年がかりとも言える異例の承継プランを紐解きます。

※本記事のオーナー・承継プランのデータは、WhoIsTheOwnerOf.com、MLB公式プレスリリースを基にまとめています。

1. オーナーグループとは

ホワイトソックスは、ジェリー・ラインズドーフ氏を筆頭とする非公開の投資家グループによって所有されています。株式は一般に公開されておらず、正確な保有比率は本人も公表していません。

買収の経緯: 1981年、不動産投資で財を成したラインズドーフ氏が、故エディ・アインホーン氏とともに投資家グループを率い、当時のオーナーだったビル・ヴィーク氏から約1,900万〜2,000万ドルで球団を取得しました。40年以上が経過した現在、Forbesは球団価値を約20億ドルと評価しています。

2. 主要オーナー・経営陣の顔ぶれ

ジェリー・ラインズドーフ(Jerry Reinsdorf)|会長・筆頭オーナー

  • 本業・役職: 元税務弁護士、不動産投資会社「バルコー」創業者。NBAシカゴ・ブルズの会長も兼任
  • 資産規模: 推計約22〜25億ドル(Forbes、2026年)
  • 特徴: 1936年生まれ、90歳(2026年時点)。ブルックリン出身で、税務弁護士を経て不動産投資で財を成しました。MLBとNBAの2球団を同時に所有する、プロスポーツ界でも稀有な存在です。ブルズではマイケル・ジョーダン擁する1990年代の6度のNBA王座を築き上げ、ホワイトソックスでも2005年にワールドシリーズ制覇を果たしています。一方で、近年の低予算路線には批判の声も根強くあります。

ジャスティン・イシュビア(Justin Ishbia)|将来の後継者・少数株主

  • 本業・役職: シカゴ拠点の未公開株投資会社「ショア・キャピタル・パートナーズ」創業パートナー
  • 資産規模: 推計約43〜50億ドル
  • 特徴: 2021年から少数株主として参画。兄マット・イシュビア氏(住宅ローン大手ユナイテッド・ホールセール・モーゲージCEO)とともに、NBAフェニックス・サンズの共同オーナーでもあります。2025年6月、ラインズドーフ氏との間で将来の球団取得に向けた長期投資契約を締結しました。

3. 【異例の承継プラン】10年がかりの「オプション付き」球団売却

2025年6月、ホワイトソックスは球団史に残る発表を行いました。ラインズドーフ氏とイシュビア氏の間で交わされた合意は、次のような段階的な仕組みです。

  1. 2025〜2026年: イシュビア氏がリミテッド・パートナー(有限責任出資者)として、球団に追加出資。この資金は主に既存債務の返済と球団運営費に充てられる
  2. 2029〜2033年: ラインズドーフ氏が「支配株をイシュビア氏に売却する権利(オプション)」を持つ期間。売却するかどうかはラインズドーフ氏の判断次第
  3. 2034年シーズン後: もし2033年までに売却が実現しなければ、今度はイシュビア氏側が支配株を取得する権利を持つことになる
  4. 支配株の移動が発生した際は、他の少数株主も同時にイシュビア氏へ株式を売却できる

ラインズドーフ氏は発表文で「ホワイトソックスを所有し、50年近くMLBの一員でいられたことは人生を変える経験だった」とコメントしつつ、「体力が続く限り運営を続ける意向に変わりはない」とも述べています。

このスキームが実現すれば、ラインズドーフ氏は最長で98歳までオーナーを続けられる計算になり、一部メディアからは「本当に売却が実現するのか」という懐疑的な見方も出ています。

4. ホワイトソックスの経営哲学

「損を出してまで勝ちにいかない」という徹底したビジネス志向: ラインズドーフ氏は自身の経営方針について「勝つために損失を出すことはしない」と公言してきました。強い財務規律を重視する一方、近年はチーム成績の低迷(2024年シーズンは球団史上・MLB史上最多となる121敗を記録)が続き、ファンからの批判が強まっています。ただし2026年シーズンは一転し、2026年9月24日にプレーオフ進出を確定させました。2023年から2025年にかけて3年連続で100敗(2024年は121敗でMLB史上最多)を記録した直後の進出は、「3年連続100敗シーズンの翌年にプレーオフ入りを果たした史上初のチーム」という快挙です。イシュビア氏の資金注入との関係も注目されています。

債務返済を見据えた資本政策: イシュビア氏からの追加出資は、球団の既存債務の圧縮を主目的としており、レッズのケースと同様、無理な補強よりも財務基盤の立て直しを優先する姿勢が見られます。

新球場問題という次の焦点: 本拠地レイト・フィールドの賃貸契約は2029年シーズン終了時に満了予定で、シカゴ市内での新球場建設構想も取り沙汰されています。イシュビア氏による出資が、この新球場計画にどう影響するかも今後の注目点です。


【ホワイトソックス経営陣の早見表】

役職・氏名主な本業・背景チーム運営における役割
ジェリー・ラインズドーフ元税務弁護士・不動産投資家会長・筆頭オーナー(1981年〜)
ジャスティン・イシュビア未公開株投資会社創業者少数株主・将来の後継者候補
マット・イシュビア(兄)住宅ローン大手CEO投資参画(NBAサンズ共同オーナー)

個人的には、「2029〜2033年はラインズドーフ氏の任意、2034年以降はイシュビア氏の権利」という、双方に配慮した段階的なオプション設計が興味深いです。90歳を超えてなお経営を続ける意欲を見せるラインズドーフ氏と、じっくり出資しながら好機を待つイシュビア氏。どちらが先に動くかで、ホワイトソックスの今後10年の方向性が大きく変わりそうです。



【関連記事】ホワイトソックスをもっと深く知る

コメント

タイトルとURLをコピーしました